【体験談】駅員がなぜ宅建を取ったのか|未経験から不動産転職へ

駅員が宅建合格。不動産転職へ
エキカラ

はじめまして。「エキカラ不動産」を運営している、現役駅員のエキカラです。

私は都内の鉄道会社で駅員として働きながら、2025年に宅建(宅地建物取引士)を独学で取得しました。不動産の実務経験はゼロ。法律の勉強も、人生で一度もしたことがありませんでした。

そんな人間が、なぜ宅建を取り、不動産業界への転職を目指すことになったのか。

この記事では、その理由をぜんぶ正直にお話しします。駅員という仕事への本音、転機になった出来事、そして「駅で働いた経験は、不動産の世界で活きる」と思えた理由まで。

いま異業種から不動産業界への挑戦を考えている方、宅建を取ろうか迷っている方に、いちばん読んでほしい記事です。

【この記事でわかること】
  • 駅員がキャリアに危機感を持った理由
  • 数ある資格の中から宅建を選んだ決め手
  • 駅員経験が不動産で活きると考えた根拠
目次

駅員という仕事と、キャリアへの本音

最初に正直にお話しすると、私は鉄道が好きでこの仕事を選んだわけではありませんでした。ただ、仕事として真剣に向き合うなかで身についたものは、確かにあります。

ひとつはトラブルへの対応力です。駅では毎日のように何かしらのトラブルが起きます。お客様同士のもめ事があれば、警察が到着するまでの間に双方の話を聞いて、その場を落ち着かせるのが駅員の役目でした。設備のトラブルでは漏水の対応が多く、雨が強い日は、ほぼ確実にどこかで水が漏れます。

「最初の10分で何をするか」で、お客様が気づかずに濡れてしまったり、濡れた床で転倒してしまうリスクを減らせ、後々の被害が少しでも抑えられることも体感しました。

一方で、ずっと感じていたこともあります。駅員の仕事は「交通インフラを支える」と言えば聞こえはいいのですが、実際のところは”変わらない日常を届ける”仕事です。5年先輩を見ても、経験の差こそあれ、やっていることは自分と変わりません。このまま働き続けたら、「この会社でしか生きていけない人材」になってしまう。そんな危機感が、じわじわと積もっていきました。

そんな中、転機が訪れます。2024年の末ごろ、パートナーと将来について話し合うなかで結婚を視野に入れるようになり、福岡への移住という可能性が見えてきたのです。「いまの自分は、環境が変わっても通用する人間だろうか」そう自分に問いかけたとき、はっきりと「このままではダメだ」と感じました。

なぜ、不動産だったのか

では、なぜ数ある選択肢のなかから「不動産」だったのか。

きっかけは2つありました。ひとつは、転職に有利な資格を調べるなかで宅建(宅地建物取引士)に出会ったこと。そしてもうひとつ、こちらが決定打だったのですが、実は会社の同期が、私より数年早く宅建を取得し、社内の不動産関係の部署に異動していたのです。

遠い世界の成功者ではなく、同じ制服を着て、同じ仕事をしていた同期。その身近な存在が、資格ひとつで自分の道を切り拓いていた。この事実は、資格サイトの情報の何倍も私の背中を押しました。

調べていくうちに、不動産管理やPM(プロパティマネジメント)という仕事を知ります。物件の価値を最大化していく仕事。この説明を読んだとき、心が動きました。

駅員の仕事は、変わらない日常を守ることでした。それも大切な仕事です。でも私は「何かをより良くしていく」仕事がしたかった。不動産のPMは、同じインフラに関わる仕事でありながら、建物という資産を育てていける。

インフラから逃げるのではなく、成長させられるインフラに移る。そう考えたとき、この道しかないと思えたのです。

それに、駅員の経験が活きる場面もあるはずだと感じていました。漏水などの設備トラブルには現場で実際に対応してきましたし、鉄道はミスが許されない世界ですから、指差し確認や「本当に間違いないか」を慎重に確かめるダブルチェックの習慣が体に染みついています。建物の管理でも、この経験は必ず武器になる。そう思えたことも、決断を後押ししました。

「まず宅建を取る」と決めた理由

不動産業界へ進むと決めたとき、実は最初から「転職」一本だったわけではありません。頭にあったのは、例の同期と同じルート。宅建を取り、社内の不動産関係の部署へ異動するという道です。

ただ、私には福岡移住の可能性がありました。社内異動では、この問題は解決しません。それでも「先に資格を取り、それを武器に道を拓く」という同期の順番は、そのまま参考にさせてもらうことにしました。未経験の人間が「やる気はあります」と言葉で伝えても、説得力には限界があります。でも資格は違います。本気度を、目に見える形で示せるのです。

在職中に取ると決めたのは、収入面の理由もあります。仕事を辞めてから勉強するのは、リスクが大きすぎる。働きながら取得できれば、収入を保ったまま転職の準備ができます。

こうして2025年1月、宅建取得を決意しました。決めたその月にテキストを購入し、勉強をスタート。「やるからには絶対に取ってやる」と思う一方で、意識したのは気合いではなく続け方でした。短期集中で燃え尽きるのではなく、少しずつでもいいから、長く続けること。シフト勤務の自分には、それしかないと思っていました。

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2024年末 福岡移住の可能性が浮上

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2025年1月 宅建取得を決意、同月にテキスト購入

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2025年10月 宅建試験に独学で一発合格

とはいえ、不安がなかったと言えば嘘になります。実際に勉強を始めてみると、壁だらけでした。「抵当権」は内容を理解するまでにかなりの時間がかかりましたし、民法はそもそも暗記だけでは解けない。内容を理解していないと歯が立たない問題ばかりで、「これは想像以上に時間がかかるぞ」と早々に思い知らされました。

そもそも、どの科目からどんな順序で勉強すればいいのかもわからない。この壁をどう乗り越えたかは、別の記事で詳しくお話しします。

駅員だから見えていた、街と不動産の話

駅員として働くなかで、気づけば「街と不動産」を見る独特のクセがついていました。

私の勤務先はターミナル駅です。ここに立っていると、東京の一日が人の流れでわかるようになります。

夜明けごろの静けさが嘘のように、6時を過ぎると駅は一気に目を覚まします。この時間帯のお客様は、とにかく速い。乗り換え通路を足早に抜けていく背中を見ると、「一本でも早い電車に」という気迫すら感じます。それが8時、9時と進むにつれて、スーツ姿の波は少しずつ落ち着いた流れに変わっていく。夕方には朝見送った人たちが帰ってきて、夜が深まるころには、赤い顔のお客様がぽつぽつと増えはじめる。

駅で働くというのは、この「都市のリズム」を毎日浴び続けることです。

そして、交通が変わると街が変わることを、私は住民としても体験しています。

東京に就職して最初に住んだのは、千代田線の北綾瀬という駅の近くでした。北綾瀬はもともと、隣の綾瀬駅で乗り換えが必要な「支線の終着」でしたが、2019年3月から千代田線本線への直通運転が始まり、都心へ乗り換えなしで行ける駅に変わりました。ちょうど私が住んでいた時期のことです。

私が離れたあとも駅前の変化は続き、訪れるたびに活気が増している印象がありました。「地価も上がっているんじゃないか」そう思って調べてみたら、体感どおりでした。国土交通省の地価公示によると、北綾瀬駅周辺の住宅地価は上昇傾向が続いており、2025年時点では前年比5〜6%台の上昇を記録した地点もあります。

さらに2025年6月には、駅直結の大型商業施設「ららテラス北綾瀬」がオープン。乗り換えが必要な支線の駅だった街は、いまや再開発で注目されるエリアに変わりました。

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2019年3月 千代田線本線への直通運転開始

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直通後 駅周辺の地価が上昇傾向に(国交省 地価公示)

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2025年6月 駅直結「ららテラス北綾瀬」開業

交通が変わると、街の価値が変わる。これを肌で知っていることが、私のいちばんの財産だと思っています。

もうひとつ、駅員だからこそお伝えしたい視点があります。

「駅員だから言えること」

物件情報に書かれている「駅徒歩◯分」は、駅の出入口までの時間です。そこから先—、改札を抜けてホームにたどり着くまでの時間は、含まれていません。

たとえば東京駅の京葉線ホームや、銀座駅での銀座線から丸ノ内線への乗り換え。経験がある方はわかると思いますが、駅の中の移動だけで何分もかかります。「駅徒歩3分」の物件でも、ホームの深い駅なら、電車に乗るまで実質10分近くかかることもある。毎日の通勤で積み重なるこの差は、住み心地を大きく左右します。

こうした「駅の中の時間」まで含めて街を見られるのは、駅で働いてきた人間ならではだと思っています。

このブログで発信していくこと

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。最後に、このブログ「エキカラ不動産」でお届けしていくことをお伝えします。

  • ひとつ目は、法律の勉強経験ゼロ、シフト勤務、不動産は完全な未経験。そんな私がどう勉強して合格までたどり着いたのか。使った教材、勉強の順番、つまずいたポイントまで、すべて公開していきます。いままさに宅建に挑戦している方の役に立てるはずです。
  • ふたつ目は、駅員視点で見る街と不動産の話です。「交通が変わると、街の価値が変わる」北綾瀬で体感したこの視点を軸に、路線や再開発、駅の構造から不動産を読み解いていきます。物件サイトには載っていない、駅の中から見た街の話をお届けします。
  • みっつ目は、未経験からの不動産転職のリアルです。私はこれから、福岡への移住とあわせて、不動産管理(PM)への転職に挑みます。うまくいくことも、いかないことも、そのまま記録していくつもりです。
エキカラ

駅員から、不動産のプロへ。この挑戦がどこまで行けるのか、見届けてもらえたら嬉しいです。

同じように異業種から不動産業界を目指す方にとって、このブログが「自分にもできるかもしれない」と思えるきっかけになれば、それがいちばんの喜びです。

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